hiroto-o's diary

とある大学の大学院博士課程を何とか卒業して、とある金融の仕事をロンドンでしています! リンクはご自由に♪ メールはhiroto_o20[at_mark] hotmail.comまで。([at_mark]は@に置き換えてね)

第29回アテネクラシックマラソンに出てきました。

ロンドンに着てからまだ間もない9月、職場の先輩(とその友人達)に誘ってもらいました。
「マラソン」の名前の由来になったマラトンからアテネまで走る歴史的なコースに惹かれ、そして、今世界経済を揺るがしている爆心地がどうなっているのかを見ておきたいと言う好奇心も手伝って参加しました。
今回はそんなギリシア旅行の日記です。


練習は9月中旬から開始。
赴任前の引越し・事務手続きで疲れていたことと、まだ仮住まいであったことから、なかなか調子が出ずに適当にロングランをして月間50km程度。
コースは、South Kensington-Hyde park(1周)-Holland street-Hyde park(半周)-South Kensingtoneで10〜15km。
あるいは、South Kensington-Hyde park corner-Leicester square-Camden town-Regents park(1周)-Hyde park(1周)-South Kensingtonで20km程度。
東京と比べロンドンの夏はとても涼しくて大抵は最高気温は20℃前半、夜にはコートを着てる人もいるくらい。
なので、蒸し暑い中で走ることに慣れてしまった体には少し物足りなさを感じる。


10月になってこれから練習を沢山しようと思っていたのだが、急激に寒くなってなかなか気が進まない。月間100km弱。
東京にいたときには平日、仕事が終わってから走っていたのだが、ロンドンでは冷えるし暗いしで却下。
上旬〜中旬に、Hyde park-Sheperd bush marketより少し先に行ったところ-Hammersmith-Victoria-Waterloo-London Bridge-Green Park-Picadilly circus-Hyde parkの30kmを2回走ったものの、それ以外はNotting hill gate-Lancaster gate(1.35km)のインターバル(x5)+α(Marble Archまで行って帰ってくる)の8〜10kmを4回くらい。
ちなみに、インターバルでは大体4:04/kmくらい。最初の1回は3:45くらい。この時点で、練習距離は足りないながらももしかしたら3時間10分台いけるかも・・・とか思ったりした。


ところが11月になって、実はアテネのコースの18km〜32kmに長い上り坂があることが判明。
この部分の平均的な勾配は1.7%。高低差は去年の若潮マラソンの5倍。若潮のコースは結構走り甲斐のあるコースというイメージだったのでこの5倍はかなりキツイ。
どうにか準備できないかを考えた挙句、Sheperd Bush駅の外に短い階段とスロープがある場所を思い出した。
スロープの傾斜が3〜5%くらいで、このスロープ上り/階段下りを1時間くらい繰り返した。
平日の夜、何も知らない人が見たら凄く怪しい光景だと思う。警察に呼ばれなくて良かった。。。
先のインターバル含めてマラソン前は月間25kmくらい。とまあ、寒くてあまり練習できなかった若潮マラソンと似たような展開。本当はマラソン1週間前に30kmのロングランが出来れば良かったかな。


せっかく海外に住むことになったんだから、これを機にいろんな国で走ってみよう、「世界を走る」って感じでやってみようかなと。そして今回は日本国外で走る初のマラソン。日本にいるときとはちょっと準備の仕方が違ってくる。
カーボローディングは3日前くらいからパスタの量を多くする。いつもready mealを夕食に2つ食べているけれども、これを3、4個にする。しかし、料理には炭水化物以外のチーズとかも入ってるのでなかなか難しいところ。と言うわけで、焼きそば3食分を日本食材店から買ってきて2日前の夕食にしました。やっぱ日本人には日本食でしょ。前日夜と当日朝の食事は、カップや焼きそばをそれぞれ4個、3個(朝はここまで食べなくても良かったかも)。ホテルではフロントでお湯を貰うか、余り薦められないけれども水道のお湯(40-50℃くらい?)を使う手もある。お湯を十分に入れて1-2分待って捨てる。これを2回くらいすると一応食べられるレベルにはなる。


さて、ギリシャの空港に着く。アテネ市内までは地下鉄で行くのだが、空港も地下鉄もかなり綺麗。ただ、この地下鉄が曲者で、スリの温床と化しており、また自動改札は簡単にキセルできるような作りである。今問題になっているギリシア国債の大金はこのように消えていったわけである。


途中、我々一行はアテネ在住の日本人に声を掛けられた。1分くらいしか話さなかったがその間に「この辺りは危ないから!」「危険だから!」「気を付けて!」をそれぞれ3回くらい聞いた気がする。観光都市アテネどんだけだよ。
街の様子は、広い道路を車が飛ばしているのが印象に残っている。
僕はホテルまで道に迷ってしまい、みんなで予約していたレストランも途中参加となってしまった。
市内の道は迷路のように入り組んでいて初めて行く場所にはGPSは必須。道が分からないタクシーもいる。
でも街を歩いている人に聞いたら普通に親切に教えてくれた。


アテネはとても寒かった。この季節では珍しいことらしい。気温は12〜13℃で冷たい雨もポツポツ降っているし風も強い。体感的にはロンドンより寒い。当日朝も天気は変わらず。いろんな人の"way too cold"という言葉を聞いた。コンディション的には最悪に近い状態でスタート。ただ、大会運営自体はかなり上手い*1。トイレも十分にあるし、数千人のフル参加者のスタートもブロック毎に完全に区切って行われ、スタート時の混雑が抑えられている。


さて、自分はと言うとブロック3で、友人からのプレゼントの腕時計でタイムを計り、BlackBerryのGPSで距離・速度を計る。
今回は15kmまで食べ物のエイドが無かったので、7km、14kmで手持ちの梅のお菓子を食べた。それ以降もバナナのエイドが疎らだったのでまとめて2本とって2回に分けて摂った。
インターバルの練習の成果もあり、18kmくらいまで一貫して順調に4:25〜4:35。若潮のときの最速より5〜10秒/km速い。このままイーブンで行けば自己ベスト大幅更新。


と思っていたのだが、19kmくらい、坂を上り始めて少し経ったところで急に足が重くなって失速。一気に4:50/km。地図では読み取れなかったが、ずっと上り坂が続くのではなくアップダウンが何回かあり結構堪える。追い抜くより追い抜かれるほうが多い。25kmくらいで既に5:00/km台。いつものマラソンより10kmもペースダウンの地点が早い。スピードが回復する見込みも無い。


どうしてこうなった。。。。


早くも自己ベスト更新の見込みが絶望的になるなか、流石にリタイアという言葉が浮かびましたよ。でもまあ、一緒にみんなでギリシアまで来てるし、変にリタイア癖みたいなのがついてしまったら最悪なので、何とか頑張ってゴールまで辿り着ければいいかなと。


30kmになっても状況は変わらず。以降、仮に平均6:00/kmで行くとすると3:40、5:30/kmなら3:30ギリギリ。一緒に来てた友人が30km地点で応援してくれていたのだが全く気付かなかった。20kmくらいからずっと余裕がなくなっていた。
32kmから全体的に下り坂。いつもなら先のことを考えて坂道でスピードを出すのは控えるのだが、もうこれ以上速く走るエネルギーが残ってなかったので勾配に任せてスピードを上げてみた。当然、局所的に上り坂になると大失速するのだがしょうがない。


周りから見ると実際以上にしんどく見えたようで、40km, 41km近くで他のランナーから「あと少し」「もう少しだから」と声を掛けられる。ようやくゴール地点の競技場に入れて200mくらいラストスパートした。フィニッシュまでにゴールゲートのようなものが2,3個あったので、どれが本物のゴールなのか分からない。最後のゲートを潜り抜けた後に近くの人に「これで終わりなんだよね?」と確認してしまった。ゴールの時計は3:30。手元の時計(ネットタイム)は3:27台。近くのランナーと肩を組んで互いの走りを称え合って終了。


このマラソンでは結構こまめにタイムを計ってくれて、それをグラフにしてみた。(ちなみにBlackBerryのGPSは途中で止まってしまい随時再起動させていたので、その時点での速度を見るのにしか役に立たなかった。)

これを見ると明らかに20km後の失速が大きい。インターバルを増やしてロングランは殆んどできなかったので当然と言えば当然。

今度は、夜でも比較的暖かい夏に沢山練習できるように、夏〜秋口のマラソンに出てみたいと思いました。
有力なのは9月下旬のベルリンです。6〜8月にもう一つ参加できれば良いんだけれど。
あと、今回は現地の交通やレストランのこととかは、全て一緒に行った友人達に任せっきりだったので次はその辺の準備も大切ですね。


次の日はアテネ市内を観光してみました。パルテノン神殿は改修工事中でちょっと殺風景でしたが、アテネ市内を見渡す景色は良かったです。アクロポリスは、登るよりも夜に遠くから見ているほうが綺麗かもしません。
今度行ったときにはアクロポリス博物館や近くの島(クレタ島とか)に行きたいと思いました。


いろいろあったアテネ旅行だったけど、何とか走れていい思い出になりました。参加賞のメダル、歴史的なマラトン〜アテネを走ったからこそのプレミア感がある気がします。

*1:新東名のマラソンの記事を見て改めてそう感じました。