hiroto-o's diary

とある大学の大学院博士課程を何とか卒業して、とある金融の仕事をロンドンでしています! リンクはご自由に♪ メールはhiroto_o20[at_mark] hotmail.comまで。([at_mark]は@に置き換えてね)

物理学者、ウォール街を往く。―クオンツへの転進

物理学者、ウォール街を往く。―クオンツへの転進

行きの電車の中ではほとんどこれを読んでました。っでやっと読み終えた。いつも、まとまった時間が作れないと読書はしないのでなかなか読みたい本が読めないのね。しかもいろいろとタイミングが悪い。この前入った本屋では「オシムの言葉」が置いてなかった!

っでこの本だけど、買ったのはゴールデンウィークだったから2ヵ月越しで読破できました。内容はタイトルのとおりで、元素粒子理論研究者が、40歳近くになってゴールドマン・サックスに転職して金融業界に生きる、という話。丁度そのころは、アメリカで研究者のポストが足りなくなってきた状況(今の日本と似ているなあ)で、多くの物理学者・数学者がクオンツに転進した。著者のダーマンは、ノーベル賞経済学賞のきっかけとなった「ブラック・ショールズ方程式」で有名な、フィッシャー・ブラックとの共同研究、BDTモデルの「D」*1に当たる人。

いろいろなことが書ける範囲で赤裸々に書かれているのが面白い。研究分野は違えど物理学の研究で思うことは似ているんだな、と。また、研究者としてキャリアを重ねていく心境、社内での人間関係、今までの自分の仕事を振り返る一部始終、などなど僕の経験していない話もとっても興味深い。去年はリリーフランキーの東京タワーが一押しの一冊だったけど今年はこれかな?

*1:ダブルクオテーションを使って"D"と書くと顔文字に見える。