考える技術・書く技術−バーバラ・ミント著
- 作者: バーバラミント,グロービスマネジメントインスティテュート,Barbara Minto,山崎康司
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 1999/03
- メディア: 単行本
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マッキンゼーの元コンサルタントによるロジカルシンキングの本。この手の本では元祖に当たる。ビジネスにおける効果的なものの考え方、文章の構成の仕方について詳しく書いてある。
特に考え方の部分ではビジネスの他に自然科学の研究のそれから引っ張ってきた色合いが強いので、この本に書かれていることはそのまま学問を研究している人にも有用だと感じた。
内容は、第1部=書く技術、第2部=考える技術、第3部=問題解決の技術、第4部=表現の技術、に分かれている。
第1部は効果的な文章の構成方法について。トップダウンかボトムアップか、などなど。パワポや学会のアブストや研究報告書、はたまた論文を書くのが苦手だという人は読んでみると良いと思う。個人的に、本書全体を通してここが最も収穫の大きかった部分である。
第2部は考える技術。内容のグループ化の仕方など。まだ内容をちゃんと消化し切れてないのか、当たり前と思える事柄が多かった。ただ、意味の無い箇条書きやタイトルは必要ない、という主張はごもっとも。
第3部は問題解決について。前半の、ありのままの姿vsあるべき姿という構図は去年同じような講義を受けた。後半の診断フレームワークとロジックツリーは新しく知った内容。自分の担当する分野についてこの2つを蓄積できれば良いかな、と思った。不明推定法は、ある仮説を打ち出してそれを検証するというもの。これは科学の方法と同じである。
第4部は書くときの詳細なテクニック。当然といえば当然の内容かな。それでも具体的にテクニックとして打ち出してくれるのはありがたい。
まあ、読んだだけで応用しなければ忘れていくだけなので、博士論文の研究はその良いステップにもなるんじゃないかと思いました。
ちょっと懸念しているのは、仮に自分もこの本に書いてあるような文章が書けるようになったとして、それから外れた他人の文章を目にした瞬間に読む気を無くしてしまうんじゃないのかと言うこと。それは自分のアンテナにシールドを張ってしまうようなものである。これは恐ろしい。
いえ、、、身近に、パワポについての薀蓄ばっかりを豊富に持ってて他人のパワポの作り方の批判ばかりしている人がいるもんでね。その人を念頭において言ってみました。